海に落ちると、真っ先にあいつの顔が浮かぶ。 例え近くに居なくとも。 俺を助け出すのがむさ苦しい仲間だとしても、だ。 白ひげ海賊団二番隊隊長を名乗るのこの俺が海に落ちるなんて笑えない。特に俺のような能力者の場合、命に関わるから尚更だ。 まあ、普段ならありえないと一笑するのだが、そんな笑えない出来事が戦闘中に起こった。敵がたまたま手に入れたのか海楼石の手錠を持っていたのだ。あいつら笑ってやがるけどあとで覚えてろ・・・ しかし水面に向かって自分を強く引く腕は仲間のムサい毛むくじゃらの太い腕ではなく、紛れも無い女の細腕、それも焦がれた女の。 「、どうして・・・?」 「一時間前から居たわよ。来てすぐ戦闘が始まったから見つからないように白ひげの所に避難してたけどね」 彼女に惚れている男としては助けられるなど情けない事この上無いのだが、能力者なのだから仕方がないと自分に言い聞かせる。海に浸かって力の入らない身体の全てをに預けると、離すまいと強く抱きしめられた。 「じゃあ、手錠も回収出来た事だし帰るわ」 「へ?もっとゆっくりしていけよ、」 「何で用も無いのに海賊船でゆっくりしなきゃいけないのよ。物資輸送船が海賊に襲われてその際奪われた海楼石の回収をしようとしたらたまたま白ひげ海賊団がその海賊と戦闘を始めただけよ」 「は運命って信じるか?」 「えぇ、海楼石の回収がスムーズに済んだのが私の運命かしら?」 「そこは俺と出逢った事を運命にしてくれよ」 「で、。この海賊はどうするんだよい」 「今回の目的は海楼石の回収。それ以上の戦利品を奪うつもりは無いわ」 「積荷は全て俺達のものだよい・・・と言いたいがそしたら面倒な事になりそうだな」 「流石は一番隊隊長,話が早いくて助かるわね」 「海賊と取引だなんてお前も悪い海軍将校だよい」 「自分の力量を把握してるだけよ。身の程知らずの小娘がコネと家柄で将校に就いてるだけなのに、腕力だけで正義を貫ける訳ないじゃない?」 「流石はだよい」 この幸せは、誰にも言わない。 |