「けだもの」 「すまない」 「疲れた」 「悪かった」 「だるい」 「申し訳ない」 「最低」 「・・・嫌だったか?」 「それを聞くから最低なのよ。回数にも限度があるって言いたいの」 散々啼かされて一晩で掠れた声、シャンクスの下で跳ねた豊満な身体はシーツに包まっているものの、はベッドに四肢を投げ出して横たわっているので、ラインが隠されることなく艶めかしい。 一方シャンクスはそんなの様子をベッドに腰掛けて眺めている。何故ベッドの持ち主がそんな仕打ちを受けているのかと言えば、目を覚ました際にを抱き寄せようとして拒絶されたからだ。そして一言、「暑苦しい」と。 手持ち無沙汰な手でシーツの海を揺蕩う長髪を一房掬い上げると、隠されていた首筋が顕わになり情痕がいくつも見えた。娼婦には決して付ける事のなかったそれが、シャンクスのへの執着心の強さを表している。僅かだが昨晩の色が残るの瞳と視線が絡めば消え掛けた熱が燻り再び一点へ集中するが、これ以上彼女に求めてしまえば流石に拒絶されるのは目に見えている。 「シャワー、先に借りるても?」 「あぁ」 シーツで身体を覆い、普段より少し遅い足取りでバスルームへ向かうの背をぼんやりと見つめる。 仲間では無いが好意は持っている、それは愛ではないが、いつそうなるか解らない。身体を重ねても征服感は無かった。しかし醜い独占欲などこれから傍にいれば幾らでも湧いてくる。に対し最も強い感情は興味ではあるがそれだけでは船に乗せられない。彼女に繋がりなどいくら求めても決して手に入らないだろう。手に入れようとすればする程きっとは遠ざかる。今でさえ彼女がこの船にとどまり続けているのが奇跡に近いのだ。 今更ながら彼女"気まぐれ"と呼ばれていることが怖くなった。いつまで、は傍にいるのだろうか。 |