本気で寝たら何があっても起きません











「大変だ!!オヤジの縄張りに海軍がいやがる!」

モビーディック号が物資補給の為に停まる島をマストから見ていた見張りが叫んだ。叫び声を聞いた隊長が数人、甲板へ姿を現す。

「馬鹿か、あいつら。白ひげの縄張りに堂々と軍艦を止めるなんて」
「待て、あれはの軍艦だ・・・」

顔見知りの船となると簡単に手を出せない。白ひげに報告しに行った船員が慌てて戻って来た。軍艦と連絡を取れと命じられたらしい。港に向かい信号を送っている。

「何て言ってきた?」
「『少将休暇中、騒ぎを起こすなとのこと』だそうです・・・」
「あの野郎、まさか・・・」

白ひげの縄張りに他の海賊は近付かない。つまり不意に海賊と遭遇する事が無いので戦わなくて、つまりイレギュラーな仕事をしないで済む。支部の近くであれば急な応援要請もあるがこの海域は海軍といえどもおいそれと近付けない。休暇にはもってこいと言えばいいが、それを実践する海軍はまずいない。筈だが・・・型にはまらないにも程がある。

「グララララ、に戦う意思が無ければ無駄に争う必要もねェ。若いが部下の教育もしっかりしてる。気にするな」

マルコが思う。最近白ひげがに甘いのは気のせいだろうか。

「おい!エースがいねぇぞ!」
「気にするな、の所へ行っただけだよい」
「騒ぎを起こさなければいいんだが・・・」
の機嫌をそこねなきゃいいんだが・・・」

誰かが呟くが、そのささやかな願いは叶わないだろうと誰もが思った。















「なぁ、

何度呼んでも彼女は目を覚まさない。最初はじきに起きるだろうと放って置いたが、半日たった今でも起きる気配が全く無い。空腹もあるが男としてもそろそろ我慢の限界だ。
自身の身体に巻き付くの腕を丁寧に解き、両手首を掴みベッドに仰向けに寝かせる。一枚のシーツにくるまったに覆いかぶさり互いの顔を近付ける。

・・・」

耳元で呼んでも身じろく気配も無い。試しにキスを一回、二回。
三回目で止めた。自分は王子様では無く海賊だし、はロマンチックに王子様を待つだけのお姫様ってガラじゃない。そして、彼女に嫌われたくない。
嫌われたくない、ガキのような理由にたどり着いた自分に思わず笑ってしまった。彼女と自分は正反対の位置にいるのに。本来なら馴れ合う事すらおかしいのだ。それでも近付きたい、触れたい。大分重傷だ。女なんて選び放題、遊び放題だったこの俺が、たった一人の女、しかも海軍将校なんかに心奪われたなんて。

「起きろよ、

やはり反応の無い彼女にとうとうエースは起すのを諦めた。手を放し、横に腰掛けるとの腕が腰に回る。長い黒髪をゆっくりと梳く。海にいる事が多い筈なのに、ささくれ立った手で触っていいのか迷うほど彼女の髪は滑らだ。触り心地の良い髪に触れてながら、目を瞑り、。

凛としたあの瞳が見たい。そんでもって俺の事好きになれよ。















欲しい、だけど奪いたくない



(なあ、拒絶してくれないと諦められないんだ)