「お?」 「げ」 は一言だけ発し、くるりと背を向けエースを視界から追い出した。 「どうかされましたか少将・・・って火拳!何故ここに!?」 後ろにいた部下が慌てて銃を構えたが、下ろさせた。 「任務外だ。無駄な騒ぎを起こすな」 はもう一度振り返り、今度はエースを睨みつけた。 「お前もだ火拳。騒ぎを起こすなよ。今我々は別件で忙しいんだ」 唖然とするエースの横を通り過ぎる海兵の一団は、異様というべきか。海兵の一人がに耳打ちする。 「少将。本当によろしいのですか?火拳を野放しにしてしまって」 「一応火拳には見張りをつけるが、この人数ではどうせ捕まらない男だ。それに迂闊に白ひげを刺激したくない」 「了解しました」 「全員配置に付いておけ。何かあれば小電伝虫で連絡してくれ。私は少し出る」 「はっ!少将は何方へ行かれますか?」 「無駄な騒ぎが起きないように見張ってる」 「火拳を?しかし少将・・・」 「お前らに火拳は止められないだろう」 私の部下なら狼狽えるな。そう付け加え、部下にコートを預けた。 一人で町で一番大きな食堂に入る。大量に皿のあるテーブルでエースは直ぐに見つかった。 「やはりここか、火拳」 「よ、。コートと部下はどうした?」 「預けた。その刺青の隣に正義の文字は無いだろう?」 はそう言いながらエースにシャツを渡す。 「背中を隠せ。騒ぎになる」 「へいへい・・・お前も命令口調止めろよ、俺はアンタの部下じゃない」 肉を頬張りながらエースは大人しく手渡されたシャツを着る。は店員を呼び、紅茶を頼んだ。 「ところで今日の別件って何だ?」 「大捕物よ。賞金総額三億のルーキーばかりの海賊団。民衆への被害が半端じゃない」 「もいるって事は能力者がいるんだろ?」 「船長ともう一人か二人。久々の大捕り物なの。邪魔しないでね」 「へいへい。で、何では俺の所に来たんだ?」 「よく言うわ、この食い逃げ常習犯。騒ぎを起こされたくないって言ったでしょ?」 ギロリと睨むが、エースは・・・寝てた。はため息を付く。と、子電伝虫が鳴ってるのに気付いた。 「はい、こちら」 『少将!現れました!至急此方へ来てください!!』 「予想より半日も早いじゃないか。場所に変更は?」 『海岸で食い止められませんでした。広場に向かってますが、民衆の避難が完了してません!』 「直ぐ行く。民衆の避難を最優先に」 「行くのか?」 が立ち上がると、エースが起きていた。 「予定より半日、仕事が早く終わるだけよ」 そう言っては店の外に駆け出した。くるりと振り返りエースに向かって何か投げつける。 「それで支払っといて」 彼女が投げつけたのは財布だった。支払う暇すら無いらしい。 |